◎ '01 10月3日(水)  38日目  イーニン−ウルムチ


 朝9:00起床。ホテルの外から偉く賑やかな音楽が流れてきて、
それで目が覚めた。マイクを使ってガンガン響いてくる。
一体何をやっているんだろう?

 窓から外を眺めると、人だかりが見えた。大勢の人が並んでいる。
そして、道には多量の紙くずが散乱していた。
ああ、宝くじをここでもやっているんだな、と一目でわかる。

 新疆内で連休中に行われている宝くじ。ウルムチでもやっていたが、
1等が50万元。そのくじの会場がちょうどホテルの真下で行われており、
それで賑やかだったのだ。

 もう少し眠っていようと思ったが、音が気になって眠れない(^^;。
それにイーニンにいるのは、僅かな時間なので出来るだけ有功に
使いたかった。外出の用意をする。

 外に出て、まずは腹ごしらえ。宝くじの会場前にはズラリと露店が
並んでいるので、そこでカワプを購入。それとジュースを買った。
このジュース、日本で云うならちょうど「冷やし飴」。イーニンは蜂蜜が
名産のせいか、甘い蜜がたっぷり入ったジュースだった。

 その後、バザールへ行こうと思い、道を延々歩いたが見当たらない。
近くにあった店に寄り、聞いてみたら全く反対方向に歩いて来た事がわかり、
自分の方向音痴ぶりを痛感した(^^;。

 しかしすぐに引き返さず、その店で軽く食べ直し。
店頭で焼かれてたサムサとマンタ(肉まんの羊肉版)があまりにも美味しそう
だったからだ(笑)。それぞれ2つずつ注文。

 店の中に入り、チャイをすすりながらそれらを食べていると、3人の子供が
店に入ってきた。この店の子供かな??
 その子供たち、私の方へ寄ってきて、しきりに何かしゃべり出した。
今日私はあまり調子がよくなく、子供があまりにうるさかったため、
追い払おうとしたが、それでもしつこく話しかけてくる。特に3人の中の
1人があまりにうるさい。

 その一番うるさい子供に気をとられ、次の瞬間思いがけない事が起きた。
もう1人の子供が、すばやく私が注文したマンタを皿から奪い、3人とも
ものすごい勢いで逃げて行ったのだ(^^;。あっ!この野郎!!
と、思った時にはもういなかった(^^;。店の主人も怒鳴りながら子供を追いかけたが、
見つからなかった。ここの店の子供じゃなかったのね(^^;。

 結局、その子達がぶんどったマンタ代は、私が払わなければいけなかった。
恐るべき子供たち(^^;。多分乞食か孤児なのだろう。お腹が空いていた
のかもしれない。まあ、許してあげよう(^^;。残りのマンタを食べ、外に出た。

 バザールへ行こうともと来た道を歩いていくと、1本の細いポプラ並木の道を
見つけたので、何気なしに立ち寄る。大通りの騒々しいのとは違い、急に静か
で、雰囲気も心地よい。目的なしに、真っ直ぐ歩いて行った。
 
 ポプラ並木添いの家は、素晴らしく美しかった。以前、日本にいるイリ出身の
ウイグル人が「イーニンは家がとても綺麗ですよ」と言っていたが、本当に
おとぎ話に出てくる様な民家である。門の構えがカラフルで、それぞれデザインも
違う。

イーニンの家はとても綺麗。
カラフルな家がずっと並んでいる。
 あまりに綺麗なのでカメラで撮っていると、家の中から子供たちが出てきた。
道ばたにいる人達もこちらを見ている。外国人が珍しいのだろうか。
「この家がとても綺麗だから撮っている」と言うと、「自分も撮ってくれ」と合図を
してきたので、そこからまた撮影大会になってしまった(笑)。

 子供たちを撮ってあげると、友達を呼んできて「この子も撮ってあげて」と
頼んでくる(^^;。バッテリー切れが怖いため、ある程度撮ってから切り上げた。
これ程人懐っこく素直な子供もいるのに、物を盗む子供もいる。
あんまり子供に犯罪させたくはないよなあ・・・。ちょっと複雑な気持ち。

 子供たちに別れを告げ、また大通りに戻りひたすら歩いた。
歩いている内に気が変わり、バザールは後で行く事にして、先に他の所へ行こうと
決め、タクシーに乗り込んだ。

 本当は、チムール廟まで行きたかったのだが、街から80km離れているので断念。
とりあえず、タクシーですぐに行ける場所にしようと、「林 則徐記念館」へ行く事にした。
アヘン戦争の責任で左遷されてしまった名君の記念館だ。

 記念館は対して大きくないが、興味深かったのは麻薬で被害を受けた犯罪者の
写真だった。皆顔がただれたり、ケロイドの様になっている。
そのグロテスクな写真を、目を反らさずずっと見ていた。

 アヘン戦争が勃発し、清朝はこれに敗れ、政治家であった林はその責任を問われ、
このイリ地区に左遷された。しかしその折に水利事業などを行い、農地開拓に
非常に貢献した人物だ。
 記念館の管理人さんは非常に親切な人で、一つ一つ丁寧に解説してくれた。
何を言っているのか意味はよくわからない(^^;。
だが、展示物からどれほど大きな事をした人なのかはよくわかった。

豊かな水を讃えたイリ河(上)。
下は川沿いにある店で
売られていた魚。
 そこを出て、待たせていたタクシーに乗り込み、
今度はイリ河大橋へと向かう。街から少し離れている。
そこへ行く途中の家もかなり立派なものが多く、
みなカラフルだ。イリ河への道中、飽きる事がなかった。

 イリ河大橋は、連休のため観光客がいっぱいで、
露店が相当出ていた。輪投げや福引きなどの店もある。
河の水量はかなり多く、急流。その河で釣れたのだろうか、
大きな魚も売られていた。

 河沿いにはレストランがあり、河を眺めながら食事が
出来る。店に入ってみたかったが、先程かなり食べて、
あまり空腹ではなかったため、外から見るだけにとどめた。

 河をモーターボートで突っ走る事も出来る。
遊覧船もある。イリ河大橋は随分と活気のある場所だ。
眺めの良い場所で記念撮影をし、しばらく河を眺めた後、
引き上げる事にした。再び、タクシーに乗車。

 1日だとせいぜいこの程度しか廻れないなあ(^^;。
でも楽しかった(^-^)。あとは、バザールに行くだけ。
一端ホテルに戻り、余計な荷物を置いた後、バザールへ
出かけた。

 バザールの規模はそれ程大きくはない。
しかし物はかなり豊富だ。特にこれと言って買い物は
しなかったが、アイスクリームだけ注文して食べた。


 イーニンで忘れられない体験をしたのは、この直後の事。
バザールを出て道を歩いていると、何やら人だかりがあった。
外からは何をやっているのか解らないが、音楽が聞こえてくる。ウイグルの音楽だ。
太鼓の音に誘われて、私もその人だかりの中に入っていった。

街角で一般の人が踊りを楽しんでいた。
 人だかりの中では・・・何と踊りをやっていたのだ!
しかも、一般の市民が踊っていた。
ウイグルのおじさんが周りにぐるりと囲まれながら
1人で踊っている。思わずカメラを取り出す。

 その内、見物していた人の中からも1人、
また1人と中央に出てきて踊り出した。
こういう光景を、新疆で見たかった私としては最高の気分!
夢中になって写真を撮る。
すると、カメラを持っている私におじさんが誘いをかけてきた。
「一緒に踊ろう」と誘っている。
ふっふっふ・・・(笑)。そうこなくっちゃ・・・(笑)。
戸惑う事なく踊りの輪の中に入った。

 
一般のウイグル人と共に踊る私
 大勢の一般人が見ている中、私は踊り出した。
途端に指笛や歓声がわく。日本人がウイグルの踊りをするのが珍しいのだろう。
それは良かったのだが、私が踊り出すと見物人&野次馬が更に増えてきた(^^;。
お巡りさん来たらやばいかもしれない(^^;。でも、気にせず踊っていた(^^;。


 踊り終わると、周りから拍手や歓声が更にわき、その大勢の見物人達が一斉に
私のところへドッと押し寄せてきた(^^;。演奏していたおじさんが、思わずベルトを
鞭代わりにして、「ここから入るな!」と振り回した。それで何とか助かったが、
私もしかしてとんでもない事やっちゃったのかしら?(^^;。

 演奏人のおじさんがお茶をくれ、少し休むと、「また踊れ」と言われ、
再び円陣の中で踊るハメに(^^;。でも、とっても楽しい!!
踊り終わると、また人が押し寄せてくる。興奮してパニック状態になるのでは
ないかと心配する程、大きな歓声。でも、もうやめとこ(^^;。

 私のところに押し寄せてきた人達は皆、ニコニコ笑顔で語りかけてくる。
自分達の踊りを日本人が踊ったと云う事で嬉しかった様だ。
1人握手を求めてきたので、私も笑顔で手を差し出した。
すると、他の人達も次から次へ握手を求めてくる。まるで千手観音の様に
私の目の前に手がニョキニョキと・・・(^^;。

 イーニンではよく暴動が起きる。私が原因で人を群がらせると、
下手したら首謀者に思われちゃうかもしれないと思い、ホテルに帰る事にした。
 帰ろうとするが、私の前には人の壁が出来ていて、なかなか道に
行けない。人と人の間を押しのけて何とか道に出られた。やれやれ・・・。

 と、思ったらその見物人が、ゾロゾロと着いてくるじゃないか(^^;(^^;。
色々話しかけてくる。キリがない(^^;(^^;。何とかホテルにたどり着けたが、
野次馬根性のすごさを知った様な気がした(^^;。
でも、イーニンでこういう経験が出来て良かった(^.^)。

 ホテルに戻り、軽く食事。今日は中華。
脂っこいものばかり食べていたため、胡瓜のミソ和え(胡瓜は生)を頼んだ。
食後はホテルに戻り、休息。

夕方のイーニンの街。
人も少し減り、落ち着いた雰囲気。
 夜になると、ホテルの周りも次第に人がまばらになり、
宝くじ会場の音楽もなくなった。
部屋から外を眺めると、夕日が沈んでいくのが見えた。

 夜21:30にチェックアウトを済ませ空港に向かう。
イーニンからウルムチに戻る飛行機は、夜23:58フライト。
深夜1:00頃にウルムチに着く予定。またもや空港に早く
着きすぎてしまい、何もせずボーっとテレビを見ていた。

 夜になると、イーニンはかなり冷え込んできて、温度計を
見ると摂氏5度だった。
吐く息が白くなり、椅子が冷たく感じる。
このままでは身体が冷えちゃうよ(^^;。
売店でカップラーメンを買い、それを食べて何とか暖まった。

 10月の中頃にはもう雪が降り出すらしい。私は日本から
セーター1着しか持ってこなかったんで、それを大事に着て、
何とか寒さを凌いでいたが、この日は特に寒く、それだけでは
とてもじゃないが、耐えられない寒さだった。

 お湯をもらい、何杯も何杯も飲んで搭乗まで待った。
23:20、ようやく荷物チェックが始まった。23:40搭乗。
1日だけのイーニン滞在だったが、来て良かったと心からそう思えた。

 ウルムチに戻り、タクシーに乗り込む。この運ちゃん、「城市大酒店まで」と私が言うと、
「80元」と云うどえらく高い値段でふっかけてきた(^^;。嘘八百言うな(^^;。
「そんな事はない。昨日そのホテルからここまで乗った時は、40元だった。」と
文句を言うと、「40元では、無理」と言う。

 「だったら乗らないよ。」とふりきって別のタクシーを探しに行こうとすると、
「おーーい!40元でいいよ!」とようやく折れてきた。
空港や駅で待ち伏せているタクシーは、タチ悪いのが結構いるのでご用心(^^;。

 タクシーでホテルの近くまで向かったが、道路工事をしていて手前で降りなければ
ならなかった。ウルムチに戻ってもやはり夜は寒い(^^;。風もある。
街の中を震えながらホテルまで歩いた。

 ようやく辿り着き、チェックイン。風呂に湯を入れようとすると断水していた(^^;。
布団を2枚出してきて、身体を暖める。
あーー疲れた。でも楽しい1日でした(^.^)。風邪引かない様にしなきゃね・・・。 

 


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